ガラスと線画の物語*第15話『子犬』

2013年04月02日
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迷子の子犬がキュン、キュンと ないています。

お母さん犬とはぐれてしまった子犬がやっとたどりついた 
いつかお散歩にきたことのある公園は 

すべり台も ブランコも、 砂場もなんだかさみしそうで
しん と静まりかえっています。


子犬は急に お母さんや兄弟たちが とても恋しくなってなきました。

『みんなに会いたいよう  おなかもぺこぺこだよう』 
子犬のおなかが きゅるるる となりました。

『もうくたくたで歩けないよ、、おうちに帰りたい。。』

もう、なくのも疲れちゃった子犬は 公園のベンチの下でうとうとしていると 
ベンチに誰か座っているのに気づきました。

そのひとは へんてこな帽子をかぶり、両手にたくさんの風船を持っています。
そして空を見上げながら ひとつずつゆっくりと風船をとばしているのでした。

とばされた風船は その姿を小さくしながら どんどん空にのぼっていき、
白い雲のあいだをゆっくりながされていきます。


子犬が不思議そうにその様子をながめていると
『もしかして迷子になったのかい?』と 風船の人が子犬に話しかけてきました。

『ぼくは風船をつかって何でも送り届ける仕事をしているんだ。
 きみが迷子なら、ついでに送り届けてあげようじゃないか。』

風船の人はポケットから風船のもとをとりだすと、ひと息ふくらませ
『きみの帰りたいところを思い出しながら、この風船をふくらませてごらん』

ながい鼻がちょっとじゃまをして
なかなか上手くふくらみませんでしたが 
子犬はおかあさん犬のことや おいしいごはん、
オレンジの屋根を思い出しながら いっしょうけんめい風船をふくらませました。


『こうすれば、きみの帰りたいところへ この風船がつれていってくれるからね。』

そういうと 子犬にありったけの風船をつけてくれました。

子犬が わん!とお礼をいうと 
体がふわりと宙にうかびあがり どんどん青い空にすいこまれていきます。

やがて風船は雲のながれに乗ると、
子犬は空の散歩があまりに気持ちよかったので
ちいさなあくびをひとつ すっかり眠ってしまうのでした。




不思議な風船のおかげで帰ることができた子犬は
お母さん犬にたくさん毛づくろいをしてもらいました。
おいしいごはんをたくさん食べさせてもらって おなかもいっぱいになると

今度はおおきなあくびをひとつ、
あたたかいお母さん犬のそばで

不思議な風船の冒険を 夢にみるのでした。



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omake

どんなものでも ふわりとやさしくお届けします






次回のキーワードは『水たまり』。
ガラス作品は、傘と女の子のピンブローチです。








みなさんはこのテーマでどんなお話を想像されるでしょうか。
次回は2013年4月9日(火)18時にお届けします。
お楽しみに☆


☆この企画は毎週火曜日18時 2つのブログで同時更新しています☆
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