ガラスと線画の物語*第26話『お散歩』

2013年06月18日
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おもたそうな雲が太陽をおおって 
しめった風がびゅうびゅうとふいています。

一匹のカエルが 

クワッ クワッ と鳴きはじめました。

「くるぞ くるぞ、雨がくるぞ~」

グワ グワ グワ 

それにさそわれるかのように
ほかのカエルたちもいっせいに鳴きはじめます。

カエルたちの大合唱がはじまったころ、
ぽつぽつと降り始めた雨は すぐに大粒のしずくへとかわり
乾いた地面をどんどんうるおしていきました。


すこしぶかぶかの雨ガッパをきた兄弟は、
そんな大粒の雨のなか お散歩にでかけます。

ひさしぶりの雨でしたので
いきものたちはみんな とてもうれしそうです。

おとなりのおばさんが大切にしているあじさいの花
道端の草も木も 葉っぱをめいっぱい広げて雨粒をうけとり、

その葉っぱのしたでは 虫たちが雨宿り。

カタツムリもカエルたちも 気持ちよさそうに雨のシャワーをあびては
よろこび 唄い、踊っているようです。


雨ガッパの兄弟は 
雨のなか大はしゃぎで ぴょんぴょんとはねまわります。

「雨の日のお散歩って なんでこんなにうれしいんだろう!」
「毎日雨なら いいのにねぇ!」


すると、
散歩中のカッパを着せられた犬が すれちがいざまに
兄弟にいいました。

「それは、乾ききった世界の住人たちのよろこびだ。
 歓喜の唄が雨粒をつたって そうしてまた世界に伝染していくのさ。」


雨ガッパの兄弟は 顔をみあわせました。
「ほんとうかな?」

すこし目を閉じ 耳をすましてみました。



ざああ ざああ ざああ
 

降る雨音のなかには たしかに 

さまざまないきものたちのよろこびの唄が 

ごちゃごちゃにまざりあって響きあっているのかもしれません。



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次回のキーワードは『雨の日』。
ガラス作品は、てるてるカブトピンです。





みなさんはこのテーマでどんなお話を想像されるでしょうか。
次回は2013年6月25日(火)18時にお届けします。
お楽しみに☆



☆この企画は毎週火曜日18時 2つのブログで同時更新しています☆
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