ガラスと線画の物語*第32話『ん?何か気になる!』

2013年07月30日
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森の深い緑のなかを
2匹のリスがおいかけっこしていました。

枝から枝へ 軽やかにとびうつるうちに
片ほうのリスのおなかが ぐう。 となりました。

おなかをすかした くいしんぼうのリスは 
おいかけっこのなかでこんなことを提案しました。

「どちらがたくさんおいしい木の実をあつめられるか、くらべっこしない?
森のはっぱがオレンジになる夕暮れまでだよ」

もう片方の負けず嫌いなリスは くらべっこが大好きです。
「そんなの、ぼくが1番にきまってる!」

ほっぺたに空気をためて ぷくっと鼻をならすと

「よーい どん!」 

合図のかけごえと同時に
2匹のリスは森のなかをかけめぐり
木の実さがしのくらべっこがはじまりました。

くいしんぼうのリスが片方のほおぶくろにたくさん
おいしい木の実をつめこんだころのことでした。

「ん?なんだろう、何か気になる!」

それは まだ背の低い、あおあおとしたどんぐりの木の芽でした。

「なんだろう、この芽とっても気になる・・」

くいしんぼうのリスは そのどんぐりの芽をみつめていると
何かを思い出しそうになりましたが
それがなんだったのかなかなかでてきません。

しばらく首をかしげていると
いつのまにか森の中はオレンジ色に染まりはじめていました。
夕暮れがやってきたのです。

「しまった、しまった。急いでおいしい木の実をあつめなきゃ!」

気になるどんぐりの木の芽をあとにし、、
くいしんぼうのリスはおおあわてで もう片方のほおぶくろを
ぱんぱんにして戻りました。


左右のほおぶくろがぱんぱんになった
2匹のリスは あつめた木の実をおたがいにかぞえます。

「ぼくの木の実が3つ多いから、ぼくの勝ちだねぇ」

負けず嫌いのリスは満足げにいいました。
ほおぶくろから木の実がはみでちゃうくらいでしたから。

くいしんぼうのリスは、あつめた木の実をみて
「きみの集めてきたの、まだあおくて食べられない木の実ばっかり。
おいしい木の実っていったのにな・・・」

ちょっとがっかりしたようすでしたが、
その青い実はあとで食べようといい  
2匹は大きなクスノキの根もとにかくしました。


「ああそうだ、あれはいつかの秋にみつけたどんぐりだったんだ」

くいしんぼうのリスは 
かくしたことさえすっかり忘れていたどんぐりのこと、
気になるあの木の芽のことを
ようやく 思い出したのでした。


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パラルシルセさんより届けられた
次回のキーワードは『広い海』。
ガラス作品は、おさかなペンダントです。





みなさんはこのテーマでどんなお話を想像されるでしょうか。
次回は2013年8月6日(火)18時にお届けします。
お楽しみに☆



☆この企画は毎週火曜日18時 2つのブログで同時更新しています☆
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